就職活動で最初の壁となるのが「履歴書」の準備です。この記事では、多くの人が悩む履歴書の書き方を詳しく解説します。記事を読むことで、履歴書作成の不安が解消され、自信を持って応募書類を提出できます。
履歴書の書き方

履歴書の書き方は、第一印象に影響する重要な就職対策です。正しいフォーマットを選び、見やすいレイアウトで情報を整理することが重要です。それぞれの項目に記載する内容について、記入方法や記載する際のポイントを詳しく解説します。
基本情報
履歴書に記載する基本情報は、採用担当者が応募者を判断する上で最も基礎的な部分です。必ず記入するべき内容には、個人情報や職歴・志望動機などが含まれます。基本的な記載内容は以下の項目です。
- 氏名、生年月日、性別、現住所、連絡先
- 学歴
- 職歴
- 免許・資格
- 志望動機
- 自己PR
- 趣味・特技
- 健康状態
- 扶養家族
- 緊急連絡先
基本情報を正確かつ丁寧に書くことで、採用担当者に良い印象を与えられます。
氏名、住所、連絡先
履歴書を書くとき、氏名、住所、連絡先は基本情報として重要なので、以下の項目に注意して正確に記入します。
- 氏名:フルネームで明記する
- 住所:現住所を正確に記載する
- 連絡先:電話番号とメールアドレスを書く
連絡先は、電話番号とメールアドレスを両方記入し、いつでも連絡が取れる状態にしておくことが大切です。基本情報を正確に記載し、応募先に真摯で信頼性のある姿勢を示しましょう。
証明写真

履歴書に添付する証明写真は、第一印象を決定づける重要な要素です。証明写真を準備するときに気をつける点は以下のとおりです。
- 縦3cm×横2.4cmが一般的なサイズ
- 白い無地の背景で正面を向いた顔がハッキリと写るもの
- 6か月以内に撮影したもの
証明写真を撮影するときは以下の点に気をつけることで、より良い印象を与えられる写真になります。
- 表情は自然な微笑み
- 髪型は清潔感があり、顔の輪郭がはっきりとわかるもの
- スーツやフォーマルな服装
- アクセサリーは控えめ
- メガネをかけている場合は反射がなく、色つきレンズでない
- ピアスやネックレスはなるべく外す
- ヒゲは整えるか剃る
- メイクは自然に、清潔感を意識する
学歴・職歴欄
学歴と職歴はこれまでの情報がまとまっているため、履歴書の中でも特に重要な部分です。具体的には、学歴は高等学校から、職歴は就職後の経歴を古いものから並べて記入します。
高等学校以上の学歴には卒業年月とともに学校名、学部や学科も詳しく書きます。職歴は、勤務先の会社名や部署、役職に加え、主な業務内容の具体的な記載が必要です。
中退や留学経験も含め、正直に記載することが大切で、虚偽の情報を書くことは絶対に避けましょう。派遣やアルバイトの経験も職歴として扱います。職歴にブランクがある場合は、期間と理由を説明することが必要です。
経歴の情報は箇条書きを使用して読みやすく整理し、見た人がキャリアをすぐに理解できるようにします。
免許・資格欄
免許・資格欄は、取得済みの免許や資格を正式名称を用い、取得した年月も添えて明記します。記載する際のポイントは以下のとおりです。
- 免許・資格の等級や級も記載
- 資格が特にない場合は「なし」と記入
- 国家資格や公的な資格は優先して記載
- 海外で取得した資格は、日本での相当する資格名や説明を付記
- 資格取得が予定されている場合は「取得予定」と記載し、予定年月を明示
資格を記載する際は、提出先の企業に関連性のあるものから順に並べ、自身の強みを強調してアピールすることも忘れずに行いましょう。
志望動機・自己PR欄

志望動機・自己PR欄には、他の応募者との差別化を図るために独自性を持たせ、読みやすいように段落を分けて記述します。
志望動機を書く際は、以下のポイントに気をつけて記入します。
- その企業や業界を選んだ理由を具体的かつ明確にする
- 会社の企業理念や製品と自分のキャリアの方向性を結びつける
- 自分が企業に対してどのように貢献できるかを記載する
以下に文章の一例を記載します。下記の文章に具体的な志望動機を含めて記載しましょう。
貴社を選んだのは、ビジョンに共感し、貴社の製品開発やサービス向上に私のキャリアゴールを活かすチャンスがあると感じたからです。自分のスキルと経験を貴社の成長に役立てることができると確信しています。熱意を持って取り組み、共に成功を築いていきたいと思います。
自己PRを書く際は、以下のポイントに気をつけて記入します。
- 自分の強みや特技、経験を活かせるポイントを簡潔に記載する
- 事例を用いて具体的な成功体験を説明する
- 過去の実績や成果を数字や実例で裏付ける
- チームに貢献した事例など協調性を伝えられる内容も記載する
自己PRは以下の文章を参考に、事例を用いて具体的な数字や実績を含めて記載しましょう。
私の強みは問題解決能力にあります。プロジェクトを〇〇な解決策で成功に導いた経験があり、チーム作業では協調性を発揮し、メンバーの強みを活かしました。その結果、目標を上回る成果を達成できました。
履歴書の最終チェックリスト

履歴書は自己紹介の一つであり、採用担当者に第一印象を決定づけるため、提出前の細部にわたるチェックは非常に重要です。提出前のチェックを丁寧に行うことで、履歴書の完成度が上がり、丁寧さや真面目さをアピールする機会となります。
履歴書提出前に確認すべき項目
履歴書を提出する際には、その内容が正確であることが非常に重要です。応募者の最初の印象を決定づけるため、細心の注意を払い、チェックする必要があります。以下の項目が正しく記載できているか確認しましょう。
- すべての情報が最新で正確である
- 写真が最近撮影したもので、正式な服装をしている
- 学歴、職歴は時系列に沿って正しく記載されている
- 免許や資格が適切にリストアップされ、有効期限が切れていない
- 志望動機や自己PRが具体的で、対象企業に適合している
- 履歴書のフォーマットが求められている規格に合っている
最後に文面の誤字脱字がないかもう一度チェックしましょう。
応募先の企業名や職種名が間違っていないかも再確認が必要です。書き方や余白の取り方・文字の大きさ、筆圧に気をつけ、署名や捺印を忘れていないかも確認します。
提出する際の封筒への入れ方が適切か、封筒自体にシワや汚れがないかのチェックも必要です。一つひとつ慎重に確認することで、履歴書のミスを防ぎ、スムーズに次のステップへ進めます。
履歴書提出時の封入・手渡しマナー

応募者の印象を左右するため、履歴書提出時の封入・手渡しマナーも重要です。
履歴書はクリアファイルや専用ケースに入れて、きれいな状態で封入しましょう。A4サイズの白無地の封筒を使用し、宛名は丁寧に記入します。自分の住所・氏名は封筒の裏面に記入し、返送先とします。
履歴書を持参する際には、折れたり汚れたりしないように注意し、受付では丁寧な言葉遣いと態度を心がけましょう。提出前には、内容と形式の最終チェックを忘れずに行うことが大切です。オンラインで提出する場合は、指定されたファイル形式やファイル名で送信します。
履歴書に関するよくある質問

履歴書作成時の疑問や不安を解消するために、下記の質問にお答えします。
- 職務経歴書との違いは?
- 履歴書は手書きとパソコンどちらがいい?
- 職歴が短い場合はどう書けばいい?
- 履歴書は空欄があっても大丈夫?
職務経歴書との違いは?
職務経歴書と履歴書は、それぞれ異なる目的で使用されます。履歴書は個人の基本情報、学歴、職歴を簡潔にまとめ、A4サイズの用紙1枚に収めるのが一般的です。一方、職務経歴書では、より詳細な職歴、具体的な役割、成果、強みを強調するために使用されます。
職務経歴書の特徴は、以下のような点があります。
- 独自のレイアウトで記載可能である
- 提出が要求されるかは企業や職種により異なる
- 詳細な経験やスキルを伝えるための補足資料となる
- 中途採用でのキャリア評価において重要視されることが多い
専門職や経験豊富な職種への応募では、専門性や経験を示すために履歴書と合わせて提出することが多いです。企業は候補者の能力や適性をより詳細に把握できます。
» 職務経歴書の書き方完全ガイド
履歴書は手書きとパソコンどちらがいい?

履歴書を作成する際、選択肢として手書きとパソコンがあり、手書きの履歴書には以下のような特徴があります。
- 個性が伝わりやすく、丁寧な印象を与えられる
- 老舗の企業や公務員試験では手書きが求められるケースがある
- 手書きは文字のきれいさが重要視されるが、時間がかかる
- 筆圧や字の大きさなどから性格が読み取れる
パソコンでの作成の場合は、以下のような特徴があります。
- 文体が揃うため読みやすくなる
- 専門職やIT関連の職種ではパソコン作成が好まれることが多い
- 添削や修正が容易で効率的である
- フォント選びやレイアウトに注意が必要である
企業から特別な指示がない場合、手書きとパソコンのいずれの方法を選んでも問題はありません。重要なのは、自身の状況と応募する企業の業種や文化を考慮して、最適な方法を選ぶことです。
職歴が短い場合はどう書けばいい?
実務経験が短い場合、経験が次の職場でどのように貢献できるかを具体的に記述することが重要です。これまでの達成した成果や会社への貢献を詳細に書くことで、経験の短さをカバーできます。
職務内容を詳しく記載することは、具体的なスキルや経験を伝える上で効果的です。職歴が短い理由を説明する場合は、転職理由をポジティブな内容で伝えると、印象が良くなります。
履歴書だけでなく、職務経歴書も用意して詳細な経験や実績を補足すると、強みをよりアピールできます。実務経歴以外にも、下記の内容も併せて記載することを検討してみましょう。
- 研修や資格取得などの学びに力を入れることを強調
- ボランティア活動や趣味、部活動などの経験
- パートタイムやアルバイト、インターンシップの経験
- フリーランスや契約社員としての経験
履歴書は空欄があっても大丈夫?
履歴書に空欄があると、情報が不足していると見なされるため、原則として空欄を作らないことが大切です。もし経験やスキルがない項目がある場合は、「該当なし」と記入しておきましょう。埋められない空欄については、決して嘘の情報を記入しないようにします。
志望動機や自己PR欄は重視される部分なので、空欄のままだと不利になります。正直かつ戦略的に履歴書を書くことが、転職を成功させるためには重要です。
» 薬剤師の転職エージェント・転職サイトの選び方
まとめ

履歴書を書く際には、さまざまなポイントに注意をしながら作成をする必要があります。記事内で紹介した内容の中で、重要な点をあらためて確認しておきましょう。
- 履歴書の基本的な構成と書き方を理解する
- 氏名、住所、連絡先などの基本情報を正確に記入する
- 正式な証明写真を使用し、顔がはっきりわかるものを使用する
- 学歴・職歴は時系列に沿って正確に記載する
- 免許・資格は得られた順に記載する
- 志望動機・自己PRは簡潔で説得力のある内容にする
- 書類提出前の最終チェックリストを活用しミスを未然に防ぐ
- 提出時の封入・手渡しマナーを守る
その他にも、状況に応じた内容の調整が求められます。履歴書作成では、ポイントをしっかりと押さえ、空欄を残さないように丁寧に作成しましょう。
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